これまで10年以上にわたって「AIが文章を書く時代が近い」と言われ続けてきましたが、webコンテンツの世界では未だに人間が書いた文章が大半を占めています。
それでも、AIの台頭はwebライターをしている身からすると死活問題です。
結局のところ、文章のAI化は進むのでしょうか。
そして、その状況下ではどんな人間が生き残っていけるのでしょうか。
UMbillical山口代表との面談をきっかけに、じっくり考えてみました。
結局ライターの仕事はなくなるのか

山口代表との面談の場で出たのは、「人とのつながりは本当に大事」という話。
一見すごく当たり前のことを言っているようですが、来たるAI時代に向けた作戦会議での一幕だと思ってみてください。
今後、今ある文章作成の仕事の多くはAIに取って代わられると考えられています。
特にブラウザでの検索上位を狙うためのいわゆる「SEOライティング」については、AIに分があることでしょう。
Webライターという職業に、未来はあるのでしょうか。
AIがすごいと言うけれど
実際のところ、AIの文章能力はどれほどまで発達しているのでしょうか。
ここでは文章執筆AIの「ELYZA Pencil」が書いた文章と、Webライターの私ハテシマサツキが書いた文章を比較してみます。
私が人間代表というにはおこがましすぎるので、平均的な人間が書く文章くらいに思ってあたたかく見守ってやってください(笑)
ELYZA Pencilの公式サイトでは、ニュース記事とメール文、職務経歴書でAIの文章作成をデモンストレーションすることができます。
今回は、ニュース記事を比較してみようと思います。
キーワード(最大8個)を入力すると、自動でニュースを作ってくれるそうです。
今回選択したのは「AI」「文章」「ライター」「未来」の4ワード。
ELYZA Pencilが作った文章と、それを参考にしつつ私が書いた文章を順にお見せします。
なお、どちらのニュースも架空のものですのであしからず。
【ELYZA Pencil】
AIライターが書いた「未来の文章」が話題になっている。記事は、AIライターが書いた文章を画像で紹介。ライターは、文章作成の効率化と文章の品質向上を目指している。
【Webライター ハテシマサツキ】
AI技術を用いて作成された「未来の文章」が話題になっている。この記事では、画像での解説を交えながら、AIによって書かれた文章を詳細に紐解いていく。研究者は、文章作成のさらなる効率化と品質向上を目指しているという。
…想像以上にしっかりとした文章が仕上がっていて正直驚いています。いや、恐れおののいています。
ちぐはぐな文章が出来上がると思ったのですが、大まかな意味は十分理解できます。
精度は完璧とはいえませんが、これは時間の問題でしょう。
何しろ目を見張ったのは、執筆速度の差です。ELYZA Pencilはこの80文字の文章をものの数秒で完成させてしまいました。
対する人間サイドは、これだけの文章を書くのに2〜3分要しています。今回は少し見栄を張って推敲したので、5分くらいかかっています。
ちなみに、AIをライターとして紹介しなかったのはちっぽけなプライドです(笑)
ChatGPTやAIについて記事制作するライターが思うこと
私はかなり危機感を持っています
この比較を通し、私は文章作成AIの時代が近いことを悟りました。
裏を返せば、Webライターの役割は大きく変わると予想されます。
徹夜で締め切りに追われたり、執筆するのに頭を悩ませたりすることはなくなるでしょう。
それはそれで寂しい気もしますが、一方で人間がしなければならない業務に集中できるようになると思うと、ポジティブに捉えられるような気もします。
そこで思いをめぐらせるのは、人間にしかできないことについてです。
私は結局、冒頭でご紹介した人とのつながりに帰結すると思っています。
意外かもしれませんが、ライター業務の多くは文章を書いていない時間で構成されています。ヒアリングやインタビュー、構成作成や事務作業など、やるべきことは盛りだくさんです。
だからこそ、AIとの差別化を図るのであればその「書いていない時間」で差別化するしかないでしょう。
特に、人とのつながりや関わり方についてはAIがどうにもできない部分です。
私は危機感を持ちつつも、今後すべきことが少し見えたような気がしました。
結局のところAI記事ってどうなの?

さて、話を戻しましょう。
ことWeb業界に関していえば、一見するとテクニカルな部分にこそ価値があるように思われます。
AIの技術が進歩すれば使わない手はないでしょう。
しかし、付加価値を生み出そうとするのであれば、結局は「人だよね」という結論に至るのではないでしょうか。
これからの時代においてコンテンツ制作はどのように変化するのか、さらに考えてみました。
コストパフォーマンスを考えるとAIを活用しない手はない
これから先も、検索結果で上位の表示を取れるような記事を作成することの重要性は薄れないでしょう。
その点においてはAIを活用しない手はないと思います。
実際、先ほどご紹介した執筆に特化したAIは、今後も更に優秀になると考えられます。
今後の技術進歩次第では、ライターが書いた記事よりもはるかに低コストで上位表示させられるような記事を作ることも可能になるはずです。
低予算で検索上位を取りたい場合には、有力な選択肢になることは間違いありません。
AIがライティングをする世界で「人間が書く」意義は?
では、すべての記事をAIに任せてしまったらよいのでしょうか?
結論は「NO」です。
多くの場合、記事を作成する際にはその先になんらかの目的が設定されています。
目的は問い合わせの増加や商品の購入など、企業や個人によってさまざまです。
そのため、単に検索上位を取得するためだけに記事を書くことはあまりありません。
裏を返せば、AIを使って検索上位に入るような記事を作ることができたとしても、その先にある目的の達成や付加価値の創造ができなければ、記事を作成する効果は薄いといえます。
記事の先にある本質的な目的を見据え、そこに向けて文章を書いていく。
これこそが人間が記事を書き続けることの意義なのではないでしょうか。
そして記事の作成を依頼するのであれば、そうした目的意識を共有できるようなライターを選定すべきだといえます。
これからの時代で好かれるライターになるために
今後、AIが当然のように文章を書くようになるでしょう。
それでもライターとして求められ続けるなら、ライティングの技巧もさることながら「人」としての力を養うことが大切だと感じています。
特に、「話を聞き、本質的に相手を思いやる」ことは肝心だと思っています。
相手の話に耳を傾け、思いやりの心を持ちながら目的に向けた適切なアウトプットをしてこそ、ライターとしての仕事ができたと胸を張れるのではないでしょうか。
きっと参考記事を調べてアレンジするだけの仕事は、じきになくなります。
このスタンスはUMbilicalの姿勢につながる
考えてみると、ここまでの内容はライターに限った話ではないといえるでしょう。
デザインやコーディング、はたまたweb業界以外でもしっかりと話を聞き、適切なアウトプットをすることはとても重要です。
そして、そうした部分にはまだAIが入り込めていないのも事実です。
山口代表はいつも「(値段に対して)やり過ぎてしまう」そうです。
Webの運用面だけでなく、新入社員に関する相談を受けたり、設計士の紹介をしたりすることもあるとか。
それも目の前のお客様が抱える悩みの解消から、その先の未来まで見据えているからこそ起こることだといえるでしょう。
目先の結果だけを見れば、AIに勝てる部分は次第に少なくなっていくかもしれません。
しかし、お客様に寄り添い、最善の選択を共に考えることは人間にしかできないのではないでしょうか。

