暮らしに寄り添うリフォームで家時間を居心地よく
こんにちは、建築士ライターのあさぎです。
今回は、建築士ライターの私が以前知り合った、暮らしに寄り添ったリフォームを叶えたYさんの例を紹介します。
リフォームの写真を見ていて、斬新なアイデアや、デザインがかっこいい写真をみていると、ワクワクしますね。
一方で、ナチュラルな雰囲気、落ち着いた雰囲気で、「暮らしにぴったり」な感じがするリフォームは、そこにある生活を想像して優しい気持ちになれます。
どこに何があったら便利で、自分は何を心地よいと感じるか知っている人の住まいは、写真を見ても、居心地の良い空気が流れていることがわかります。
以前仕事で関わったことのある、Yさんのリフォームがまさにそうでした。
最初はどうしても建物に合わせて暮らしている人が多いと思います。
だんだん住み慣れていくうちに「あ、ここが不便だな」と気がついていくのではないでしょうか。
あるマンション にお住まいのYさん宅も、最初から居心地のいい住まいだったわけではありませんでした。
育児中のYさんの悩みは、お子さまが小さいので、家事をするのもなかなかスムーズにいかないことでした。
外遊びのたびに服がどろどろになったり、食事でこぼして着替えたり、それを拭くのにまたタオルと、こまごまとした洗濯物が一気に増えました。
浴室の手前にある洗濯機で、何度も洗濯しては乾かさなくちゃいけないのに、ベランダに出るたび子供は追ってくるし、天気次第でなかなか乾かないこともあります。
既存の洗濯スペースが狭いのも悩みで、洗濯と洗面と脱衣室と、どうしても人も物もごちゃついてしまいます。
時々インスタを眺めて、最新の洗濯乾燥機があって、下着やパジャマの収納スペースがあるランドリールームの写真を見ると、うらやましくてため息が出るとのことでした。
ある日「子供ももうすぐ小学校だし、子供部屋を何とかしたほうがいいんじゃないか」
夫からそんな話が出ます。
いつか子供部屋にしようと思っていた個室は、物置になっていました。
片づけなくては、と思っていたけれど、なかなか手が付けられずにいます。
今のマンションは古いけれど、部屋数は十分にあります。
周辺環境も気に入っていました。
夫婦で家のことを話し合ううちに、今の部屋を住みやすくリフォームしてはどうか、という話になりました。
「ストレスをなくし、家や暮らしを整えたい」と考えたYさんのリフォーム
あれもこれもとご夫婦で希望を言い合いましたが、Yさんはどうしてもランドリールームを広げたい希望がありました。
洗濯乾燥機を置くのに十分なスペースが欲しい。
雨の日や花粉の季節は、室内に干せるスペースも欲しい。
乾いたらすぐに片づけられる場所が欲しい。
リネン庫にも家族分のタオルや下着などを収納したい。
子育てで疲れていたYさんにとっては、少しでも家事を時短でき、ストレスをなくすようなリフォームが希望でした。
悩んだ末、それぞれ個室の面積は少し狭くなるものの、家族の共有スペースはしっかりと、さらに動線を工夫し、リフォーム後は快適な暮らしができそうだと感じたプランを提案してくれたリフォーム会社に依頼することにしました。
Yさんは自分の暮らし方や、どうすればストレスが減って、スムーズな日常を送れるのかをリフォーム前に考え、リフォーム店との打ち合わせで、要望を伝えました。
「ここにタオルがあると、出すのも片づけるのも楽だから」
「誰かがお風呂に入っているときに、洗面を使えないと困るから、分けてほしい」
「洗剤のストックは、たくさんは必要ないけれど、置き場がないのは困るから、一段棚が欲しい」
気になっていた洗面・脱衣室も、日々の家事がスムーズになるようなプランになりました。
リフォームで得た、笑顔で過ごす家族との暮らし
いろいろとリフォーム例をみているうちに、せっかくなら、とインテリアにもこだわりました。
ナチュラル、北欧、モダンといったテイストで、何が自分にしっくりくるのか調べたり、タイルのサンプルを取り寄せたりしました。
子供が帰った時にすぐ手洗いができるよう、玄関の近くに設置した洗面台は、あまり予算をかけずに、自分の好きなイメージで造作してもらいました。
木質系カウンターに、一部気に入ったタイルを貼ったナチュラルな雰囲気の洗面スペースは、家に帰ってきたときに目にすると、ほっとする場所になりました。
他の部屋も、例えば子供たちが手伝えるようなオープンなキッチンにしたり、家族みんなの本が置けるような大きめの収納家具を作ってもらったりと、オリジナルなリフォームに満足しています。
始まりは「家族も私も笑顔で過ごせる家」をイメージしたことだったと、その時仕事で関わっていた私に、Yさんが教えてくれました。
「リフォームで、暮らしがこんなに楽しくなるなら、悩んでいないでもっと早く相談すればよかったです」
家事がスムーズに行えることで自分の負担も減り、ごちゃごちゃとしていた空間に花を飾る余裕もでき、笑って家族と過ごす時間が増えたと思う、とお話してくださいました。
最後に会った時のYさんの笑顔が素敵でした。
この記事のライターさん
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大学院での研究テーマは日本建築。二級建築士。卒業後、老舗住設メーカーに就職、多数の物件を抱えて奔走する多忙な日を送ったことも。
建築なら住宅、カフェ、美術館などの現代建築、日本建築からハリーポッターのホグワーツ城まで、好きの範囲は広い。
子育て中に、SNSなどの発信に興味を持ち、現在はライターに。