一人ひとり、好みや望んでいるものが違うからこそ、必ず「あなたにお願いしたい」と言ってくれるお客様がいます。
なぜそう言い切れるかというと、私が本業の不動産広告会社で行っているライターのお仕事を通じて、最終的に自社を選んでくださるお客様をたくさん見てきているからです。
Web集客をしよう!と決めたとき、たくさんの選択肢がある中で、ユーザーに自社を選んでいただくにはどうすればいいのか…きっと一番最初にぶつかる壁ではないでしょうか。
競合他社と、何で勝負すればいいのか分からない。
何を発信すれば、ユーザーに届くのか分からない。
今回は、物件取材ライターとして私が感じた「自分たちを必要としてくれる人たちに選ばれる方法」についてお伝えしていければと思っています。
リアルな情報を伝える、物件取材ライターとして大切にしていること
私は普段、不動産広告会社で賃貸物件の取材ライターをしています。入居者募集中のお部屋に出向き、自社のポータルサイトに掲載する写真の撮影と紹介記事を書くお仕事です。
不動産情報サイトというと、大手のサイトがいくつか浮かんでくると思います。大手有名サイトの特徴としては、掲載数が圧倒的で選択肢が多く、「たくさん比較して選びたい」ユーザー向きのものでしょう。
数で勝負をすれば確実に負けてしまうため、他の部分で差別化を図る必要がありました。そこで自社の特徴として挙げられるのが、リアルな情報や推しポイントを盛り込んだ記事です。
この、大手にはできない記事で、「ぜひ、このお部屋に住みたい」熱量の高いユーザーに選ばれるようになります。
私は、お部屋や街には個性があり、各お部屋ごとに「どんな人が住みたいと思ってくれるだろうか」と想像し、リアルに見て感じたことを書くスタンスを大事にしています。
実際に見てみないと分からないことは、意外と多いのです。玄関のライトの形がレトロで可愛かった、お風呂場の浴槽が思ったより小さかった、ロフトは身長150センチの私が膝立ちできるくらいの高さだった…など、現地に行かなければ書くことができない情報を拾って伝えられるようにしています。
あとは、街の様子。繁華街に近い賑やかな雰囲気や、静かな住宅地といった様子の他に、都心の1LDKと郊外の1LDKでは、必要となる設備や環境も違ってきます。都心なら大きめのスーパーはあるか、学校や病院は近くにあるか。
郊外なら駐輪場や駐車場はあるか、バスは何分間隔で走っているかなど、実際に暮らした後のことを想像して、お部屋だけでなく周辺環境も注意深く観察するようにしています。
ユーザーにとっては、入居が決まってからが本当のスタート。
お気に入りの街やお部屋に出会ってほしい、という思いで書いています。
「ぜひ、このお部屋に住みたい」熱量の高いユーザーに選ばれる理由
ある日、お客様からのお問合せ業務を手伝っていた際に、気づいたことがありました。
自社のサイトを見て内見や契約に来ていただけるユーザー層は、とても熱量が高い方が多いのです。
「まだ空いているのなら、すぐにでも内見に行きたい」
「一応、内見に行く予定になっているが、もう契約するつもりでいるので先に必要な書類を教えてほしい」
「このお部屋の壁のクロスが、自分が持っている家具に合いそうだと思った。色味はどんな感じだったか聞きたい」
そのお部屋で暮らすイメージを、お客様が感じてくれている。
これは、恐らく大手の不動産ポータルサイトを利用しているユーザーの方にはない特徴なのではないかと思いました。
私自身、過去にお部屋探しをした時のことを思い出してみると、こんな情熱的な物件探しはしていなかったです。
複数の不動産サイトでとりあえず合う条件の物件をピックアップして、お店に行って写真を見せてもらったり内見に行ったり、連日たくさんのお部屋を回り、最終的にだいたい他と比べて平均点が取れているところを選びました。
お部屋探しをされたことがある方ならお分かりいただけるかと思いますが、不動産会社で見せてもらう写真はだいたい同じような画角で、管理会社のおすすめコメントも似たようなものばかり…。
探す条件も、「風呂トイレ別」「独立洗面台」「2階以上」と生活設備に絞ったものが多いのではないでしょうか。
お部屋のクロスのデザインに目を止めたり、どうしてもこのお部屋に住みたくてたまらないといったトキメキのようなものは、ほぼなかったと記憶しています。
その点、自社のサイトはライターが直接部屋を見ているため、管理会社やオーナーさんでも気づいていない魅力を写真や文章で押し出しやすく、ユーザーにそのお部屋で過ごす新生活のワクワクしたイメージを伝えられやすいのです。
結果「このお部屋がいい」と、高い熱量で選んでくれるユーザーからのお問い合わせに繋がっていきました。
何を伝えるかで、集められるお客様像は変わってくるのだと実感した瞬間です。