かっこいいリノベの良さを、ライティングで伝えたい
こんにちは、建築士ライターのあさぎです。
街を歩いていて、シンプルだけどセンスの良い店に遭遇すると、ついフラフラっと入っていきたくなります。
大きなガラスのドアの向こうに、コンクリート壁もダクトも剥き出しの店内がみえる。
無機質なコンクリートに、センスのいい照明、観葉植物もあって、棚に並んだ商品がおしゃれにみえます。
コンクリート打ちっぱなしって、むしろ植物や無垢材とよく合うなといつも思います。
マンションでも、「コンクリート現し」のリノベーションって、人気がありますよね。
合わせるテイストは、無垢材のナチュラル感でも、古材を用いたアンティーク感でも、都会的なクールな感じでも、素敵です。
今回はコンクリート現しの、コンクリートやモルタルの無機質だけどカッコイイ感じ、それに似合うインテリアについて、書いていきます。
でも、事例を説明するだけや、メリットを説明するだけでは、十分によさが伝わらないですよね。
かっこいい建築は、写真だけでも見ごたえがありますが、もっと本質的な魅力が伝わってほしい。
アンビリカルのライティングでは、具体的なペルソナを想像しながら書くようにしています。
そうすると、建物がただの絵ではなく、住んでいる人の背景として存在感がでてきます。
住んでいる人や、その建築が好きな人のことをイメージしながら書くために、私は過去の経験を参考にしています。
住む人のことを想像して記事を書く
例えば、コンクリートやモルタル、棚に古材を使用するようなリノベーション、かっこいいですよね。
無骨でさりげないインテリアを背景に、観葉植物が並んでいる。
みずみずしいグリーンがあることで、温かみを感じられて素敵です。
今回はそんなリノベーションを紹介したい!
そう考えた時に、住む人のことを考えてみます。
コンクリートやモルタルの質感や、雨ざらしの古木をかっこいいと思ったり、植物が映える部屋に住みたいと思うのは、過去の記憶があるからでしょうか。
昔、私が学生時代過ごした校舎は、古くて暗い無機質なコンクリートでした。配管も剥き出しだった記憶があります。
床は、しっかりした無垢材です。
中庭に面した一角は、窓もなく、ただのコンクリート壁でしたが、たくさんの植物が植わっていて、いつもそこだけは生き生きして見えました。
学校帰り、フェンスに植物が絡まっているのを眺めながら、線路の横の道を通ります。
コンクリート塀の足元には、たいてい植物が生えていて、雨上がりにはキラキラして見えます。
そんな私自身の記憶を思い返してみると、コンクリート、無垢材には、植物が似合うと思っていて、懐かしい、どこかで見たことがある、と感じる理由がわかる気がします。
いつか植物が映えるような部屋に住みたいと思っていたな、と記憶を思い出してみると、コンクリート打ちっぱなしの部屋のインテリアが、もっとよく理解できます。
気取らないラフな感じがいい。
オープンシェルフに好きなものを並べて、自分だけのコレクションがあるのって楽しそう。
光がたっぷり入る南側に置かれた植物が生き生きと元気に育っていて、すごく自然を身近に感じる部屋だ。
床やカウンターに、古材を使ってあるのも、古いものに愛着を持ち、昔に懐かしみを感じる人柄だと思う。
アンティークの食器棚や、ダイニングテーブル、電球の見えるデザインの照明も、大量生産されたデザインじゃなくて、ひとつひとつ、こだわって自分の「好き」の感覚でとりいれている。
ペルソナを意識しながら記事を書いていくと、より具体的に伝わりますね。
それぞれの価値観とそれぞれのリノベーション
コンクリートやモルタルを使って、スタイリッシュな印象に仕上げることもあります。
ガラスなど透明感のある小物や照明、モダンな家具と合わせると、都会的な雰囲気になりますよね。
例えば、そんな部屋に似合う住人は、古い価値観に縛られず、人の目を気にせず、自分がよいと思う物を身近に置きたいと思っている人ではないかと考えてみます。
映画の主人公の部屋のように、大きなポスターを部屋に貼って、インパクトのあるデザインのソファーを置いてもいい。
コンクリートの壁やモルタル、黒い色や金属質なものも、本質的な強さを感じます。
常に新しい表現や、クリエイティブな環境を求めている人かもしれない。
上質な素材のものを部屋に配置しているのは、良いものは良いと知っている人だと感じられます。
人物像や、暮らし方、その人の価値観などを想像していくと、イメージがどんどん広がっていきます。
そのイメージは、やっぱりこれまでの経験や記憶から拾ってくることが多いです。
自分の過去を振り返ってみると、例えば、子供のころに建て替わった実家は、和風の家でした。
同居の祖父母の意向を反映して、南側の一番日当たりが良い場所が、立派な和室(客間)です。
和室の欄間や障子はとても綺麗でしたが、家族が過ごすダイニングキッチンは北側で、和室よりもずっと狭く、居心地が悪いなあと子供心に感じていたのが、住宅に興味を持ったきっかけです。
そんな経験から、日本の住宅や、海外の家、価値観について考えることがよくありました。
大学では多くの建物を見て回って、古い建物の良さも改めて学びましたが、就職したのは、大阪のビル街にある住宅設備メーカーでした。
二級建築士の資格も取りましたが、住宅設備メーカーで建築士の資格はあまり必要ではなく、それよりもお客様や取引先とのやり取り、クレームや現場のトラブル解決など、毎日、様々な仕事がありました。
その時の経験が、私の知識を深めてくれました。
設備関係は、リフォームすると生活に大きな変化を感じられる部分です。今後の最新技術で、もっと変化する可能性もあります。
それこそ古い概念が変わって、もっと楽に便利に暮らせるようになっていくこともあるのでは……と思っています。
その後、転職、出産、子育てを経て、ある時、片付けの世界に足を踏み入れたことがきっかけで、インテリア関係の人や、手作り作家さん、教室の先生など、多くの人に会いました。
あちこち見て回った建築、仕事や経験したこと、人に会った機会などが、今まさにリノベーション記事を書くときに役立っています。