こんにちは、建築士ライターの安美サヨリです。
リフォーム会社に限らず、「集客」はとても重要です。
私はライターを始める前の数年間、大手ハウスメーカーでリフォーム営業をしていました。
今回は当時の経験を基に、私が営業をして感じていた「リフォーム集客の課題」についてお話します。
リフォーム営業の現場を振り返りながら、今後のリフォーム集客の戦略について考えていきたいと思います。
経験者だから言える、リフォーム集客で感じていた「課題」
私が営業時代に感じていたリフォームの集客における課題は、次の3点です。
①昔ながらの古い営業方法
私が働いていたハウスメーカーでは、ルート営業が基本でした。
各営業担当者にエリアが割り当てられ、その中で自社で建てたオーナー様をピックアップし、築年数に応じたリフォームをおすすめするというものです。
(他社で建てられた家は対象外でした)
オーナー様の情報は社員それぞれに支給されているiPadで逐一確認できるようになっており、最新のデジタル技術を駆使している点は「イマドキ」感がありとても便利でした。
その反面、実際の営業方法といえば、営業担当者自らオーナー様のご自宅まで赴いてチラシをポスティングしたり、アポなしで訪問したりする「外回り営業」が軸になっており、昔から変わらない手法です。
営業が動ける日中の時間帯はご不在のご家庭も多く、営業訪問自体に嫌悪感を抱く方もいるため、働いている当時は正直「とても非効率な方法だな……」と感じていました。
②やること(業務内容)が多い
企業の方針や体制にもよりますが、私の働いていた会社では、営業担当者がリフォーム集客から現場監理まで一人で担当していました。
もちろん、施工の際には工務担当者が中心となって業者の手配や材料の発注などをしてくれるものの、お客様とのやり取りは営業担当者が行います。
現場で何かトラブルがあれば、真っ先に連絡がいくのも営業担当者です。
最初の外回り営業から契約、着工、引き渡し完了まで、手が離れることはありません。
お客様側からすると、営業と施工、引き渡しそれぞれでコロコロと担当が変わってしまうよりも、一人の担当者が最後まで責任をもって見てくれた方が安心できますよね。
ただし、営業担当者側からすると、複数の現場を同時に回しながら(監理しながら)次の案件の営業もすることになります。
しかも、その営業方法は上記でご紹介した通り“非効率”なやり方なので、限られた時間の中でやることに追われる毎日でした。
③見込み客を「育てる」時間が足りない
“見込み客”であるオーナー様のお宅を何度も巡回し、信頼関係を築くこともリフォーム営業では欠かせません。
「あと○年で□□のリフォームを、○○年経ったら▲▲と◇◇のリフォームが必要です」といった説明をして“見込み客”を「育てる」ことも重要な業務の一環です。
「農作物と一緒」……というと語弊があるかもしれませんが、種をまいて育て、収穫するまでの一連の流れは、まさに営業のやり方そのものといえます。
(種まきからいきなり収穫できるパターンももちろんあります)
しかし、上記の通りやることが多く、なかなか「育てる」ことに時間を割けないのがジレンマでした。
せっかく見込み客を育てていても、折衝のタイミングを逃してしまい、他のライバル会社に横取りされてしまうことも少なくありませんでした。
自分の足を使わなくてもリフォーム集客できたらいいのに
営業時代に常々思っていたことがあります。
それは「自分で訪問しなくても、リフォーム集客できる仕組みづくりができたらいいのに」ということ。
リフォームの顧客層は40代以上がメインであり、70代前後のご年配の方も多くいらっしゃいます。
ひと昔前であれば、アナログなやり方はマッチしていたことでしょう。
実際に、私自身もチラシの投函やアポなしの訪問営業で上手くいった経験があります。
しかし、インターネットやスマホが普及した現代ではご年配の方でもデジタルを活用している方も多く、さまざまな情報も得やすくなっています。
お客様との折衝においても「ネットでは○○の施工に関してこんな風に書いてあったけど……」と質問されることもありました。
営業の際に車が使えたとしても、一人の足で一日に回れる件数には限りがあります。
営業所から遠いエリアを受け持っていれば、移動の時間もバカになりません。
もちろん、不利な条件であってもちゃんと売上を確保している営業マンもいますので、一概にアナログなやり方だけの問題ではない部分もあります。
それでもやはり拡散力のあるインターネットやSNSは、営業にとってとても魅力的なツールです。
「もっとネットやブログ、SNSを活用できたらリフォーム集客がラクになるのに……」と、営業方法についての課題を感じざるを得ませんでした。
リフォーム会社の運営で重要なのが「人材の増強」
会社の大きな目標は「売上を伸ばすこと」です。
せっかく問い合わせが増えて売上が増加しても、人手がいないと対応しきれません。
人手が足りない状況が続くと、下記のようなリスクが懸念されます。
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- 現場の業務に手を取られ、リフォーム集客と同時に採用にまでは手が回らなくなってしまう
- 日々の業務に疲弊してしまったり、家庭と仕事の両立ができなかったりで社員が辞めてしまう
社員それぞれが適切な業務量で仕事をすることが、好循環でバランスの良い企業運営になり、売上につながっていきます。
リフォーム会社の運営において「人材の確保」は常に課題のひとつといえるでしょう。
この記事のライターさん
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二級建築士。店舗やオフィスなどの設計デザイナーとして従事したのち、大手ハウスメーカーのリフォーム営業に転職。外装から内装まで家のリフォーム全般に携わる。
建築業界で10年以上働いてきた経験を活かし、現在は住宅関連を中心にライターとして活動中。