こんにちは、liccaです。
リフォームって、人生の中でそう何度もするものじゃないですよね。
特に大掛かりなリフォームだと、「一生に一度の大仕事!」なんてことも。
リフォームを考えるときは、ワクワクする気持ちと同時に、不安や悩みを感じることもあります。
「本当に理想の空間ができるのだろうか」「この業者に任せて大丈夫だろうか」という気持ちは、リフォームという大きな決断を前にして誰しもが抱えるもの。
だからこそ、信頼できる相手に任せたいと思うのは当然です。
企業や営業マンはお客様の気持ちを理解し、互いに信頼し合えるパートナーであることが求められます。
信頼の形は人それぞれ異なり、信頼関係を築く方法も千差万別。
ある人にとっては価格やスピードが最重要な要素かもしれません。
また別の人にとっては友人のような気軽さや、安心感を得ることを優先するかもしれません。
リフォームには「これが正解」という一つの答えがなく、コミュニケーションの中でお互いの理解を深めていく必要があります。
信頼関係を築く方法は、お客様と営業マンの数だけ存在すると私は思っています。
少し前に私の実家がリフォームを行いましたが、両親と営業マンの信頼関係を築いたものは「傾聴力」でした。
今回はそのお話をしようと思います。
リフォームして実家から子供部屋がなくなった
先日フルリノベーションを終えた、築30年の実家。
暗かった独立キッチンは、明るく開放的なペニンシュラ型に。
そしてリビング横の和室はフローリングに改装されて一体化し、広々とした心地よいリビングに。
見慣れた家がこんなに素敵に生まれ変わるなんて、とただただ感心するばかりでした。
中でも一番驚いた変化は、私の子供部屋が母の個室になっていたことです。
大学進学を機に家を出て10年以上。
年に数回しか帰省しない私の部屋を、母はずっと手入れし続けてくれていました。
壁に貼ったポスターや、思い出の詰まった本棚。子供部屋は私が一番リラックスできる空間です。
家を出ても変わらず帰る場所があることに安心感を抱きつつ、
今ではほとんど使われない部屋の手入れに、母の時間と労力を使っていることが気がかりでもありました。
父と母は生活リズムが異なるため、寝室を別々にしています。母はリビング横の和室に布団を敷いて寝ていました。
せめてもっと快適な場所で休んでほしいと、帰省するたびに「空いている子供部屋を使ったら?」と私が提案しますが、「あなたの帰る場所だから」と首を横に振ります。
それなのに、今回のリフォームで子供部屋は母の個室に変わっていたのです。
思い出の部屋がなくなったことに少し寂しさを覚えつつも、母が子供部屋を手放したことに安堵する自分がいます。
両親がこれからの時間を、自分たちのために過ごしてほしいと願っていたからです。
母が子供部屋を残したかった理由
なぜ子供部屋を残したいと思っていた母は、子供部屋を無くすリフォームに賛同したのでしょうか。
答えは子供部屋を残したかった理由にありました。
私1人で過ごすにはちょうどよく、心地よかった子供部屋の広さは約5畳。
結婚し子供ができてからも子供部屋に宿泊していましたが、
家族3人で寝泊まりするには手狭で、いつしか居心地が良い場所ではなくなっていたのです。
母はこれまで、私のためにその部屋を残してきました。
しかし時間と共に子供部屋の役割も変化し、「娘ひとりのため」ではなく「娘家族のために」快適な空間が必要になっていたのです。
母はその変化に気づきつつも、ずっと「子供部屋を残したい」と感じていました。
私の思い出を残すことと、私たち家族の場所を用意しておきたいという母の、家族への想いが交錯していたのかもしれません。
リノベーション後の家で私たち家族が宿泊するスペースは、元々和室があったリビングの一角です。
普段は広々としたリビングとして活用され、来客時には間仕切りを使って個室にできる仕様。
すっきりとしたスペースは家族分の布団を問題なく敷け、プライバシーも確保されています。
私たちが年に数回しか帰省しない現実を考えると、この新しい間取りはとても実用的です。
帰省した際の私たち家族はもちろん、普段2人で過ごす両親にとっても快適な空間になりました。
母がずっと「子供部屋を残したい」と言っていたのは、ただ思い出と別れられないのではなく、
大切な家族を温かく迎えられる、心地よい場所が欲しかったのではないかと思います。
Tさんの「傾聴力」に基づいた提案が母の心を動かした
家のリフォームを始めた当初、母の希望はキッチンやお風呂などの設備交換だけ。
住み慣れた空間に少しの変化を加える程度で満足だと思っていました。
打ち合わせは順調に進み、営業担当のTさんとも和やかにリフォーム計画は進んでいます。
Tさんが家にくるたび「ついつい長話してしまうのよ」と言っていた母。
ある日の打ち合わせで母は何気なく「娘家族が帰省する時のために子供部屋は残しているのよ」と話しました。
後日、打ち合わせでTさんが持ってきたプランは、母の心を大きく揺さぶるものでした。
なんと子供部屋を母の新しい個室にし、リビングの一角を来客用の客間として仕切る提案だったのです。
「娘家族のために残しておきたいと思っていた場所を、自分のために使うなんて…」と、初めは戸惑いを隠せなかった母。
しかし、Tさんの「お母様も娘さん家族も快適に過ごせる家を目指しましょう」という言葉に、母の気持ちは次第に前向きに。
母に寄り添いながら、さらにその先にある“理想の暮らし”を一緒に想像してくれたTさんのおかげで、リフォームの方向性が大きく変わりました。
母が気付かないままでいた本当の想いを、Tさんは見事に汲み取ってくれたのです。
新しくできた母の部屋にはしっかりとしたベッドが設置され、趣味のグッズを並べる飾り棚も作り付けられていました。
「Tさんにお願いして本当に良かった」と笑顔で話す母を見ると、私まで嬉しくなります。
これまで家族のために多くの時間を費やしてきた母。
これからは自分のためにくつろぎ、楽しむ時間が増えると良いなと思います。
御用聞きにとどまらない「傾聴力」が作り出す最良のリフォーム
営業担当のTさんは、いわゆる口達者な営業マンではありません。
それでも、彼の「傾聴力」は群を抜いていました。
時間をかけてじっくりと両親の話に耳を傾け、言葉に出し切れない思いさえも汲み取ろうとする。
その姿勢は、単なる営業活動の枠を超えたものでした。
当初の予定通りキッチンやお風呂などの設備交換だけでも、きっと満足のいくリフォームになっていたでしょう。
しかし母のライフスタイルを豊かに変えるリフォームは、Tさんがいなければ実現できなかったと思います。
両親は「キッチンやお風呂」ではなく「Tさんと作る家」を選んだのだと私は思います。
これから帰省するのが、今まで以上に楽しみになりました。
快適に過ごせる客間に泊まれるだけでなく、何よりも明るく楽しそうに過ごす母の姿が見られるからです。
現状の要望を叶えるだけでなく、言葉にならない思いまで汲み取ろうとすること。
その姿勢が、私たち家族にとって最良のリフォームを生み出したのだと思います。